【エッセイ】横浜駅が複雑で分かりにくい件
何で横浜駅って、あんなに複雑で分かりにくいのだろう?と、思っている人は山ほどいる。私もその一人だ。自慢じゃないが、方向感覚には自信がある。どこの街に行っても、一度歩けば道を覚えるし、だいたいこの辺りだなという見当もつく。
新宿も渋谷も池袋も銀座も東京駅もお手の物。地図を見てパッと行ける。都内だけではなく、札幌も名古屋も梅田も天神も余裕。そんな男が、だ。横浜だけには毎回苦戦する。
1月の末に行ったきりだったが、久々に用事があったので出向いてみた。長年続いていた工事も終わったようで、どうなったのか見てみたいというのもあった。目黒から東急目黒線で一本。ここまでは楽。異常にスピードが早いエスカレーターに乗り(ちなみにこのエスカレーター大好き)、いざ改札へ。もうこの時点で分からない。
とりあえず目の前に商業施設に入ってみる。CIAL(シァル)と書いてある。一発では読めなかった。ブラブラと地下を流し、一つ上の階へ。入口付近のフロアガイドを見ると、1階から上はNEWoMan(ニュウマン)とのこと。おいおい、ややこしすぎるだろ。地下と地上の名称が違うなんて聞いたことない。
驚きつつ地下街へ。何とそこはもう違う施設。ジョイナスというファミレスみたいな名前。工事中のお店も多い。パンのセレクトショップなるものを発見。ナイス。神奈川県の色んなパン屋さんの商品を集めているとのこと。素晴らしい。後で買おう。と、この時は思ったのだが、結局、最後までここに辿り着けなかった。
本屋さんに入る。一体どうなってるんだ?という作り。通路が斜めになっていて、そこに沿って本が配置されているので、非常に見にくい。しかも向こう側とこちら側が別の通路で寸断されている。もう少し何とかならなかったのか?普段は長居する本屋さんをこの日は即、退去。これぞ横浜マジック。
気を取り直してベイシェラトンホテルを探す。まさかの目の前に発見。気になるパン屋さんがあったので視察。レジでスイーツを買っているご婦人が時間がかかりそうだったので、買うのを断念。まぁ良いか。
この時点で、結構疲れている。一旦、地上に出ようと思い、ヨドバシカメラのエスカレーターで地上へ。歩道にあった地図とにらめっこ。行きたい立ち飲み屋は随分と違う方向みたいだ。でも地上から行くのは難しそう。車優先で人には優しくない設計。ということで再び地下へ。
また地下街で地図を見る。ここで問題発生。普通、どこの街に行っても、地上の地図と地下街の出口の番号が書かれてあり、現在地とその番号が分かれば、どちらに進めばいいかがすぐに分かるのだが。横浜の地下街にはそれが無い。嘘だろ?と思ったが本当に無い。
仕方なく「なんとなく」で歩いてみる。この辺かな?というところでまた地上へ。全然違った。もっと先のようだった。これも地上に上がって初めて分かることで、地下にいた段階ではまるで分からなかった。
目的のお店には、そこからしばらく歩いた。滅多に使わないGoogleマップを使い、ようやく辿り着いた。近隣にはオフィスもホテルも多い。これ、どうやって場所を説明しているのだろう?旅慣れしていて、方向感覚に自信のある人間でこれなのだ。旅に不慣れで、方向音痴の人なら、きっと無理だと思う。
立ち飲み屋は素晴らしかった。さぁ駅に戻り、今日の本当の目的地である、落語会が開催される関内ホールへ向かおう。そう思い、駅方向へ。あのパンのセレクトショップに立ち寄りたかったが、どの辺なのかが分からない。もういいやと思い、そのまま駅へ。帰りは簡単。JRと書いてある表示にひたすら直進。すぐに乗れた。
横浜駅界隈に住んでいる人やお勤めの人を素直に尊敬する。あんなに複雑で分かりにくい駅を毎日のように利用しているだけで「あっぱれ」である。慣れたら大丈夫なのかもしれないが、私はいまだに慣れない。ということを横浜在住の人に話すと「私もいまだに慣れてませんよ。どこに何があるのかよく分かっていません」とのこと。なんだ。そんなもんか。
ここに書いたのは、あくまで西口だけの話。反対側に東口があり、そっちはそっちでルミネとかポルタとかそごうがある。もう勝手にやってくれ。そっちまで面倒見切れない。こっちは西口で既に疲れ果ててるの。という横浜市民の嘆きが聞こえる。
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