【エッセイ】サッポロ一番ごま味を遂に手に入れた話
最初に知ったのは「木梨の会」という、木梨憲武氏のラジオ番組だった。サッポロ一番大好きなノリさんは、メーカーの担当者・福井さんとは大の仲良し。番組のスポンサーということもあり、福井さんも番組にたまに出演している。その中で気になったのが、サッポロ一番のごま味が全国発売になるという情報。一瞬、耳を疑った。
というのも、サッポロ一番と言えば「塩、醤油、味噌」しか知らなかったからだ。どこのスーパーにもこの三つは置いてある。それだけ定番の味ということ。そう思い込んでいたのだが、どうやらそうではないらしい。西日本ではごま味が普通に売られているとのこと。これは是非とも食べてみたい。
そう意気込んでいたのだが、これがなかなか見つからない。都内のありとあらゆるスーパーを捜索したが、発見に至らず。通販で買えるが、ちょっと違う気がする。やはりスーパーの売り場で出会いたい。ファーストコンタクトは大事。そんな折、鳥取県米子市に行く機会があった。
駅前には大きなイオン。一時間に一本しかない電車の乗車時刻まであと15分。そんなタイミングで見るだけ見ておこうと思い、いざラーメンコーナーへ。驚いた。あった。ごま味。しかも大量に。商品入れ替えの為とPOPには書いてあり、ちょっと安い。思わず「あった!」とマスク越しに叫んでしまった。
5袋入りを手にいざレジへ。まだ9時過ぎなのに米子の老人がわんさかいる。しかも目の前のおばあちゃんはカゴいっぱいに買っている。どうやって持って帰るのか、最後まで見届けたいが、こちとら時間が無い。おばあちゃんのスローモーな動きにイライラする。普段なら何とも思わないが、こういう時には一番ダメなパターンだ。
おばあちゃん、財布からお金を出すのは良いが、会員カードみたいなのが出てこない。ようやく出てきたと思ったら、レジの人が袋詰めのところまでカゴごと運んであげている。良い光景だが、こちとら時間が無いのだ。早くしてほしい。
ようやくレジの人が戻ってきて、光のような早さで会計を終え、無事にゲット。電車にも間に合った。米子に行ったのは初めてだったが、旅先のスーパーで5袋入りのラーメンを買ったのも初めて。まるで近所から帰ってくるようなノリで飛行機で東京まで戻ってきた。
翌日、いざ実食。麺以外にもあれこれ入っている。調味油や炒り切りごま、粉末のスープ。期待が高まる。シンプルにキャベツだけ入れてみた。感想は「ごまの風味がキツい、ただの醤油ラーメン」だった。
勝手に期待して、ハードルを上げたのはこっちだ。サッポロ一番は何も悪くない。嘘もついてないし、食べてくれともお願いされてない。とはいえ、いまいち納得いかない。これをもう少し美味しく食べる方法はないものか。残り4袋もある。最近そればっかり考えている。
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