【エッセイ】パン、サラダ、いなり寿司
出張先の静岡のホテルで、それを見た。エレベーター内の朝食の案内のポスターにはっきりと書かれていた。「パン、サラダ、いなり寿司」と。
旅の疲れで目がおかしいのかなと思い、部屋に荷物を置いて再度出かける時にもう一度よく見てみた。やはり、はっきりと書かれていた。「パン、サラダ、いなり寿司」と。
こうなったらもう明日の朝が気になって仕方ない。そこは並び的にどう考えても、コーヒーだろうよ。パン、サラダ、コーヒー。うん、分かる。よく見かけるぞ、その並び。っていうかさぁ、朝からいなり寿司食べるかね?食べるとしても、どのタイミングで食せばいいの?パン食べました。サラダ食べました。いなり寿司最後に食べました。いやいや、おかしいおかしい。
その前に、いなり寿司のポジショニングが気になる。会場のどこに「鎮座」しているのか。サラダの後か?熱い日本茶の隣にいるのか?意表をついてジュースの脇とか?その日はもう、そんなことばかり考えていた。
気になったら気になって仕方ない。酒量も抑えめに、早々に床に就くことに。で、翌朝の朝食会場にIN。真っ先にいなり寿司のポジショニングを確認に。いた!いなり寿司いた!!なんと、まさかの最前列。並び順でいうと、いなり寿司、パン、サラダ、スープ。しかもけっこう小さめ。何個でもいけそうなかわいいサイズ。新幹線の中でパクッと食べたい。でも、今はいらない。
そう。これだけ注目しておきながら、いなり寿司には一切手を出さなかった。気になっていたことはもう確認できたし、この時に改めて思い出したのだが、いなり寿司があまり好きではない。普通にパンを温めてバターを塗り、サラダと卵を紅茶と共に食した。朝からいなり寿司を食べるのには、心の準備が整っていなかった。
テレビがあったので、食後も少し粘ってみたのだが。いなり寿司を食べている人は皆無。これ、一体誰の為のサービスなんだろう?謎が多いぜ静岡県。また行きたいぜ。
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