【エッセイ】990円で食べれる神田のうな丼

鰻は帰省の際に、と決めている。生まれ故郷である三重県津市は、実は鰻の消費量が日本一になったことがあるくらい、鰻の養殖が盛んで、市内にも多数の鰻屋さんがある。ほとんどが「地産地消」なので、県外の人がわざわざ食べに来るほどではない。当然、宣伝もしない。だから浜松みたいに全国的な知名度はない。が、津ぅの人々は、鰻を「日常食」として食べている。母親なんて、小さい頃からずっと食べているのでもう飽きたと言っている。贅沢な話だ。


当然、値段も安い。だから名古屋とか東京で食べる気がしない。なぜ鰻ごときに数千円も払うのか。意味が分からない。と、津ぅの人間なら思うはず。そんな私が久々に食べても良いかなと思ったのが、神田のうな正だ。ここはうな丼が990円。ご飯の中にもう一枚鰻が隠れているダブルが1,880円。都内にしては破格の安さだと思う。どんなものか、一度食べてみようということで行ってきた。


JR神田駅の西口からアーケードの無い商店街を歩いて約1分。近い。ピークを避ける為に11時半の到着だったが、既にカウンターは埋まっている。これは少し待つのかなと思ったら、まさかの「お二階へどうぞ」の一言。二階あったの?と、ここで面食らう。一旦ドアを開けて外に出る。で、階段を登って左手へ。ちなみに右手はスナック。この雑多感が神田っぽい。


二階は全てテーブル席。基本は二人がけ。空いているところへと言われたので、密集度の低い端の席へ。すぐにお茶、漬物、お吸い物が置かれる。まだ注文もしてないのに。うな丼と告げ、ぼんやりメニューを眺めていると、もう来た。早い。早すぎる。うな丼史上最速は間違いない。


次から次へと入ってくるので、どんどん焼いているのだろう。メニューの違いは、シングルかダブルかだけなので、鰻自体は焼いておけば問題ない。後はタレをかけたらすぐに出せる。ということで早かったのだ。これは賢いやり方だなと思う。


いざ実食。ふわふわ。津うの焼き方とは違う。蒲焼きと白焼きとの違いか。まぁどうでもいい。そういう「ウンチク」大嫌い。黙って食え、と思う。タレはあっさり。なるほど。だから漬物の量が多いのかと納得。鰻→ご飯→漬物のトライアングルで仲良くやっていきなさいよ、ということだ。


常連っぽいサラリーマンは皆ダブルを注文している。ランチで1,880円は神田にしては高い方だが、たまには鰻をということで、奮発しているのかもしれない。そう言えば年齢層高め。若手の給料ならまだ来れないのかもしれない。


11時半に入店し、食べ終わって席を立つときに時計を見たら11時40分だった。滞在時間10分。鰻屋でこんなことあるんだなと妙に感心した。一階の焼き場ではじゃんじゃん焼いている。テイクアウトもやっているらしい。今日は予約の方のみと書いてある。人気あるんだな。このお店。


機会があれば、次はダブルに挑戦してみよう。と思うのだが、ここで食べると、津ぅの鰻が無性に食べたくなった。一旦、津ぅを挟んで、それからまた来ようと思う。


あ、気になったと思うので、一応説明を。津ぅに住んでいる人は、津とは言わずに津ぅと小さな「ぅ」を入れる。東京ウォーカーの特別版が出来た時も「津ぅウォーカー」になっていた。ちなみに表紙はレスリングの吉田沙保里。同い年。これ、プチ情報。きっと役には立たないと思うけど、もし津ぅの人に会うことがあれば、言ってみてください。「せやに」と帰ってくるとはず。あ、これは「そうだよ」の方言です。

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