ストーリー(物語)ではモノは売れない
「モノを売るには、ストーリー(物語)が大事です。ストーリーのない商品は売れません!」そんな風に豪語する人や、そんなことを書いているビジネス本は数多いですが。それは本当でしょうか。
ここ最近、私がお金を支払ったものと、その理由を列挙してみます。
・GUのショートパンツ
すぐに乾きやすそうなのと、そのまま履いて、いなげや(スーパー)に行けそうだから。
・有楽町のとんかつ屋
11時から開店しているお店が、ここしかなかったから。
・TOHOシネマズ日比谷での映画の鑑賞券
そこでしか上映していない作品だったから。
・シャンテ日比谷にある、ル・プチメックというパン屋さんで買ったパン二点
そこにしかお店が無いのと、たまたま通りかかったから。
・長野県のアンテナショップで買ったりんごジュース
喉が乾いていて、何でも良いから、ジュースが飲みたかったから。
このように、どこをどう見ても、ストーリーなんてありません。機能性や必要に迫られて、もしくはたまたまとか、偶然そこを通りかかったから、という理由ばかりです。
つまり、人はお金を払う時、そこまでいちいち理由なんて考えていません。理由を述べるとしたら、全て「後付け」です。後からなら、何とでも言えます。こんなストーリーがあってとか、ストーリーがあるから、この商品は売れたのだと。私がお金を払ったものでも、いくらでも言えます。
以前よく行っていた、新宿のル・プチメックが、日比谷で復活したから買ったとか。祖父母の実家が長野なので、懐かしくなって買ったとか。冒頭に記した「ストーリー信者」は、みんなこのやり口です。最初からストーリーを考えていたのではなく、後から言ってるに過ぎません。それを鵜呑みにして、先にストーリーを考えると、売れないのは当然です。買う側は、そんなことは一切、気にしていないので。
どんな大企業でも、ヒット商品はなかなか出ません。抜群の頭脳を持った、マーケティング部門の人や、電通や博報堂のプランナーが必死に考えても、結果はいまいちです。万が一ヒットしても、誰もその理由は分かっていません。正直に言うと、たまたまというのが「本音」です。
それでは誰も納得しないので、無理矢理に意味を付けるのです。その成れの果てが、商品にはストーリーが必要だという誤った思考です。くれぐれも騙されないように、気を付けましょう。
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