【エッセイ】晩夏の四谷のブルース
四谷って意外と行かない。近いけど行かない。自宅のある白金台から、南北線で6駅13分。にも関わらず、それまでに下車することが多いので、滅多に行かない。そんな四谷に久々に行った話。
2番出口からすぐのしんみち通りにある、洋食屋たけだが今日のお目当。ここ、ずっと気になっていて、何度も前は通っているのだが、なかなか行く機会がなかった。こういうお店、非常に多い。「いざ出陣」と決意してから、辿り着くまで、ものの20分。こんなに近いなら、もっと早く来れば良かった。
11時45分頃に着くと、なんと3名も並んでいる。やはり人気店。小雨もぱらついてきたし、並ぶということ自体ものすごく億劫だが、まぁすぐだろうと最後尾へ。メニューを渡されてから、ほんの5分ほどで着席できた。
店内にはラグビー日本代表の選手のサインと色紙多数。好きそうだな、あの人たち。このお店。メニューが豊富にあり、初めてということもあり、何を頼もうか悩んだのだが。どうしてもエビフライが食べたかったので、ヒレエビ定食に。ヒレカツ2枚とエビフライ1尾。ナイスコンビ。並んでいる間に注文を聞いてくれていたので、席に着いてからすぐに出てきた。うん、美味い。「正しい洋食屋」の味がする。店内、全員男。さすが揚げ物がメインの店だけある。
満足した気持ちで、しんみち通りを流す。短い通りだが、入ったことのあるお店が多いことに気付く。蕎麦の政吉、みうらじゅんもお気に入りのとんかつ三金、ラグビーの試合を見たことがあるHUB。たけだを含めると、この通りだけで4軒も制覇している。
新宿通りに出ると、また色々と思い出した。マツコ・デラックスが絶賛したという食パンを、ドラゴーネというパン屋。アニメに全く興味がないので、そこが聖地だとは知らずに行った須賀神社。アクセサリーのトップを買いに行った聖品で有名なドンボスコ、純喫茶の本で必ず紹介されるロン、吉田類の酒場放浪記で見てすぐに行った鈴傳。他にも上智大学の学園祭に小一時間だけ行ったことがあるし、迎賓館赤坂離宮の中に入って見学したこともある。
なんだ。そういうことか。随分と「四谷してる」じゃないか。そんなにでもないと思っていたら、意外と行ってる。だって近いし色々とあるし。こういう街、多い気がする。そもそも「よく行く」の基準が分からない。月イチなら間違いなくそうだろうけど、そこまでの頻度ではない。年に一度なら、5年で5回は行ってる。そう考えると、よく行っているとも言えるし。まぁ何でも良いのだが。四谷には結構足を運んでますよ、と。その事実が分かっただけで良しとする。
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